
耳の中が傷つき炎症に イヤホンも使い過ぎ注意
耳がかゆくなるのは、外耳炎の典型的な症状だ。耳の入り口から鼓膜まで続く「外耳道」の皮膚の一部が耳掃除などで傷つき、主に細菌に感染することで炎症が起こる。
耳の穴に入れる密着度が高いタイプのイヤホンの長時間使用も原因になる。コロナ禍以降、オンライン会議が急速に普及した。音楽やゲームを時々楽しむだけでなく、仕事でもこうしたイヤホンを使う機会が増えた人は気をつけよう。
外耳炎の初期症状はかゆみが中心。その後、痛みや耳だれなどが現れる。重症だと外耳道が腫れ上がり、耳の穴がふさがってしまうこともある。
「外耳炎は自覚症状がはっきりしている。自然に治ることも多いが、適切な治療を受けることで大半は1週間程度で完治する」と帝京大の伊藤健教授(耳鼻咽喉科学)。
外耳炎の原因で目立つのが耳掃除のやり過ぎ。耳の入り口から約1センチより奥の皮膚は非常に薄く、傷つきやすい。耳あかは、自分でかき出さなくても自然に外へと排出されるので、耳掃除は不要という。
密着タイプのイヤホンは、耳に着ける時だけでなく外す際にも力が加わるので皮膚に傷ができやすい。使い過ぎないよう注意したい。
外耳炎の検査は、耳鏡や内視鏡などの器具で外耳道や鼓膜を見て、腫れ具合や耳だれの有無などを確認する。この検査は数分で済む。
治療は、症状が重くなければ、外耳道から分泌物などのかすを取り除いた後、患部に抗菌薬とステロイドを塗れば終わる。治療後は、耳のかゆみが気になっても触らないことが大切だ。腫れが目立つ場合には、塗り薬に加えて抗菌薬の飲み薬や点耳薬が処方されることもある。
外耳炎は細菌感染だけでなく、カビの仲間である真菌の感染によって起こることもある。この場合は、通院で抗真菌薬を塗る治療を繰り返し受ける。治療期間は細菌が原因の時より長くなる。
伊藤教授は「外耳炎は誰にでも起こり得る。症状が続いたり、いったん治まってもぶり返したりするようなら耳鼻科を受診してほしい。まれだが、耳鳴りや目まい、激痛、顔面まひなど重い症状に至る外耳炎もある」と話している。