
オープン準備を行う室感食堂の店員
手ごろな価格で定食などを提供する「室感食堂」(佐々木伸代表取締役)が28日、室蘭市中島町1にオープンした。社長の佐々木さん(77)は「地域に愛される店にしていきたい」と意気込んでいる。
佐々木さんは秋田県出身。会社員だった20年以上前、出向で札幌市に勤務地を移した。食や景観など北海道の魅力にひかれたことで独立に踏み切った。その後はサービス業として中小企業を支援。仕事柄、飲食店や小売業者と接することで「いつかは自分のお店を開きたかった」
室蘭には仕事で足を運ぶ機会が多く「働く人がたくさんいて活気のあるまち。開業するならここ」と決めていた。物価や燃料価格の高騰で外食を控える傾向があるからこそ「気軽に利用してもらえる場所をつくりたかった」と開業を決めた。
開店までに、さまざまな人の支えがあった。「自分の店を持たせてくれた室蘭に感謝したい」との思いを店名に込めた。
この日はお昼時にかけて40席の店内が満席となり、キッチンと店内を息つく暇なく行き来した佐々木さん。「たくさんの方がきてくれた」と充実感をにじませながらも「待たせてしまうことがあった」との課題も。それでも「工夫でいくらでもできる。日々、改善していく」と力強く語った。
「手ごろな価格」がモットー。価格を抑えるため自動調理器や専用端末を使った「セルフオーダーシステム」を導入し、生産性を意識した取り組みを行う。水産物の仕入れでは北海道機船漁業協同組合連合会(札幌)と提携。価格にこだわりつつも「付加価値の高いものを作っていきたい」と見据える。
ランチは500円から定食を提供。そのほか、野菜焼きそば(税込み330円)やカツ丼(同560円)の単品も用意する。今後、うな丼やケーキセットもメニューに並ぶ予定。
営業は当面の間、午前10時~午後8時半。定休は火曜日と年末年始。問い合わせは同店、電話0143・83・4250へ。