本庁舎で窓口利用を体験する職員と状況を記録する職員たち
登別市の若手職員が中心となって市の窓口業務の現状を把握するため、住民の立場になって手続きを行う「窓口利用体験調査」が12月24~26日に実施された。転入、転出、おくやみの各種手続きを3日間に分け、それぞれの課題を抽出した。今月17日に成果報告会を開き、業務の改善や効率化につなげる。
2026年9月供用開始予定の市役所新庁舎での窓口業務のスマート化を目指し、既存の課題を洗い出すことが目的。窓口を担当したことがない職員が市民役となり、それぞれの目的や家族構成などを直前に伝える形で行った。調査には18部署から約30人が参加した。
転入では、障害のある子どもやペットがいるなどのケースを設定し、鷲別支所からスタート。支所で手続きできないことは本庁舎に移動するなど、午後1時45分から5時半にかけて4施設6窓口を回った。タイムラインを別の職員がメモし、細かく状況を記録した。
企画・運営に携わった市民生活部市民サービスグループの佐藤泰智さんは「2時間で終わる想定だったが、家族が多いと手続きが大変だと感じた。実際には鷲別支所から本庁舎への道が分からないかもしれないし、申請書には署名はもちろん、住所、生年月日を書く部分も多い」と振り返った。
市が昨年2月から実施している「おくやみワンストップ窓口」についても調査を行った。動線などを確認した同グループの白石萌さんは「事前に調べているはずが職員の連携ミスで、手続きの一つが行われなくなりそうになった。すぐに気付けるように改善できれば」と指摘する。
全体を統括する総務部DX推進室DX推進グループの側翔平主査は「最終的には印字しているものに署名するだけの『書かない窓口』を目指しているが、その過渡期として部署ごとに申請関係の資料をデータ化できれば、書く手間を省けるのでは」と展望を語った。
成果報告会では、デジタル庁の窓口BPRアドバイザーを招き、専門家の知見を交えながら改善点を探る。同グループの有馬亮太総括主幹は「これをきっかけに各部署の職員たちに窓口を変えていこうという機運が高まれば」と期待している。