株式会社電材重機 代表取締役社長
上村 正人氏(うえむら・まさと)
1980年千歳市生まれ。2019年電材重機入社、副社長を経て21年代表取締役社長就任。22年から室蘭商工会議所議員。
このほど地方創生メディアの「Made in Local(メイドインローカル)」サイトで、北海道を代表する100社にも選ばれた、グループの中核企業・電材重機の上村正人社長にこれまでの歩みと、今後について聞いてみた。
―事業の拡大にまい進する電材重機の経営方針を
他社よりも新しい機械、他社が所有していない機械をいち早く導入することで、時代のニーズを獲得してきました。
他社に無いということは需要も少ないためリスクもあるが、不思議と大規模工事や災害などがあり、活躍する機会を得てきました。先見の明があったとも言えるし、運も味方になってくれました。
―地元で培ってきた技術面の強みを持っています
室蘭は鉄のまちで、日本製鉄さん、日本製鋼所さんといった大きなプラントが存在しています。そこで取り扱う製品は重量があり、大きなクレーンが必要です。道内では類を見ない程の大きな重機が必要な地域なのです。こうした背景から、弊社が積極的に大きな重機を購入するようになり、プラントの事業を支えるとともに、道内各地で行われる大型の建設工事にも活用され、室蘭で培った力が他の地域でも役立っています。
―大型クレーン導入など事業推進に先見性がありました
様々にアンテナ張り、情報を集め社会のニーズを研究しています。これからの日本にどんな機械が必要とされるのかを知り、いち早く投資し、他社に先駆けて実績を上げていくのが私たちのやり方です。
―環境科学館のネーミングライツなど地域と歩む姿勢が見られます
DENZAI環境科学館・室蘭市図書館「えみらん」(室蘭市山手町)
―M&A戦略について
日本全国に“電材ブルー”のクレーンを立てたいという気持ちです。
私の場合、ニトリさんとかツルハさんの店舗を本州で見かけると、北海道の企業が頑張っているんだと、勇気をいただきました。
室蘭出身の人が東京や大阪など大都会でチャレンジしたり、旅行先でもいいのですが、都会の圧力を感じた時に、工事現場に電材のクレーンがあれば、「電材って頑張ってるんだ」などと感じていただき、ちょっとした励みになればと思います。ただ会社を大きくして売上を伸ばすというのではなく、ニトリさんとツルハさんからもらったエネルギーを自社事業に生かしていきます。
海外進出には、もう一つの側面としてリスク分散があります。日本はどうなるか分かりませんが、これから発展する国があるのなら、クレーンが活躍するチャンスがあると考えています。国内では 年、 年経過したクレーンを使い続けるのは問題がありますが、発展途上国ではそんなクレーンでさえ歓迎してくれるので、供給していくつもりです。
―独自の人材育成があると聞きます
2021年に社長に就任しましたが、それ以前から高校生の定期採用を行っています。平均的なクレーン会社は3カ月の研修期間を経て現場に配属されますが、弊社では1年間の研修期間を設けています。北海道の冬道をマイカーで走るのも難しいのに大型のクレーンはなおさらです。
さらに、アルバイトやインターンシップを実施していきます。会社を知ってクレーン業界に興味を持ってもらうきっかけを提供します。その上で就職していただいたり、大学生や専門学校生なら建設業界に進む人もいるので、将来ユーザーとして必要な時にクレーンを利用していただきたい。
直接入社しなくても人のつながりに期待しています。
本店:室蘭市大沢町