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岩手県大船渡市の山林火災現場。右奥は市中心部=1日午前9時23分(共同通信社機から)
◆―― 初の週末、続く不安
岩手県は1日、大船渡市の大規模山林火災の焼失面積が約1200ヘクタールから約1400ヘクタールに拡大したと発表した。市は新たに141世帯333人に避難指示を出した。対象者は1896世帯4596人になった。現地は発生4日目で初めての週末を迎え、鎮火が見通せない中、千人以上が避難所に身を寄せて不安な時間を過ごしている。
1日も空と地上から懸命の消火が続いた。自衛隊が散水能力の高い大型ヘリコプターを6機投入するなど、態勢は日ごとに強化されている。県沿岸南部には強風注意報と乾燥注意報が出ており、火が広がりやすい。
市によると、避難所にいる人は1日午前7時時点で1033人。知人や親戚の家に逃げた人も約1900人いる。約280人が過ごす同市盛町のリアスホールでは、自営業の男性(37)が「いつ終わるか分からない火事をただ見ているしかできない」と肩を落とした。
1日朝の避難指示を受け、2歳の息子と越喜来小に来た自営業清水一幸さん(44)は「心身ともに疲れている人もいる中で、子どもの泣き声で迷惑をかけないだろうか」と不安そうに話した。ワカメ漁師の男性(74)は、週末は温泉や買い物に行くことが多いが「そういう気分じゃないよ」と嘆いた。
総務省消防庁の記録では、焼失面積は平成以降の林野火災で最大規模となる。