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ホワイトハウスで共同記者会見するトランプ米大統領(右)とイスラエルのネタニヤフ首相=4日、ワシントン(ロイター=共同)
◆―― 工程示さず、反発も
【ワシントン共同】トランプ米大統領は4日、ホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した。トランプ氏は会談後の共同記者会見で、米国がパレスチナ自治区ガザを「長期的に所有する」と主張し、倒壊した建物や不発弾を撤去して経済開発を進めると述べた。住民をガザ域外の安全な場所に恒久的に再定住させるべきだと提案した。ガザ再建に向けた米軍の派遣も否定しなかった。
所有権の取得方法や具体的な工程などは一切示さず、実効性には大きな疑問がある。国際社会で反発が広がりそうだ。
トランプ氏の2期目就任後、外国首脳との対面会談は初めて。1月19日発効のガザ停戦の先行きは分からないとしながら「維持されることを望む」と述べた。会談の冒頭、住民の再定住先候補としてエジプトやヨルダンを挙げる一方、両国に限らないとし、受け入れに多くの国が手を挙げていると語った。
会見では時期を明示せず、イスラエル、ガザ、サウジアラビアを訪問するとも語った。ネタニヤフ氏はサウジとの国交正常化について「成功できると思う」と述べ、前向きな姿勢を示した。
トランプ氏は1月下旬にもエジプトとヨルダンにガザ住民の受け入れを要請し、両国を含む国際社会が批判していた。
ネタニヤフ氏は連立を組む対パレスチナ強硬派の極右政党の意向も踏まえ、停戦は一時的として戦闘再開をちらつかせている。停戦合意を外交成果と位置づけるトランプ氏は停戦継続に前向きとされるが、3日には継続を「保証できない」とも発言。ネタニヤフ氏に一定の配慮を示している。
米政府高官は4日、トランプ氏がガザの再建には10~15年はかかるとし、住民を不発弾やがれきが散乱する場所に居住させることは非人道的と考えていると語った。
イスラム組織ハマスは4日、停戦合意の第2段階の間接交渉が始まったと発表した。恒久停戦につながる第2段階でハマスは全人質を解放し、イスラエル軍はガザから撤収することが想定されている。停戦合意は3段階で、第1段階の6週間の期限は3月1日とされる。