南極・スカルブスネス「鳥の巣湾」で子育て中のペンギン=2024年12月(南極観測隊同行記者撮影)
【昭和基地】昨年末に南極・昭和基地に入った第66次南極地域観測隊(原田尚美隊長)は、基地周辺での活動を本格化させている。ペンギンの生態研究チームに同行し、基地南方の露岩帯スカルブスネス「鳥の巣湾」にあるアデリーペンギンの営巣地へ向かった。
アデリーペンギンは繁殖期を迎える10月ごろから、南極大陸海岸部の岩場に小石を積み重ねて巣を作る。観測隊の夏隊が現地で活動する12~1月ごろは、卵からふ化したひなを育てる時期だ。
高橋晃周さん(国立極地研究所、京都市出身)ら3人で構成するペンギンチームは2月上旬まで、営巣地から約3・5キロ離れた「きざはし浜小屋」に寝泊まりしながら調査を続ける。小型ビデオや移動経路を記録する装置をペンギンに装着し、行動を調べる。
小屋を出発し、ゴツゴツとした岩場を1時間半かけて歩いて営巣地にたどり着くと、ペンギンが100羽近くいた。首を伸ばしたり縮めたりしながら、あちこちで鳴き合っている。「鳴き交わしといって、パートナーや巣を確認する行為です」と高橋さん。子育て中のつがいは、片方がひなを温めている間にもう片方が海へ好物のオキアミを捕りに行き、戻ってひなに与えるのだという。
つぶらな瞳、ペタペタと歩く愛らしい様子に癒やされた。