栗林氏の後を受けて就任した中田会頭(右から4人目)ら
まち活性化の先導役に
室蘭商工会議所の第13代会頭・栗林和徳氏=栗林商会代表取締役社長=は2021年8月31日の第7回常議員会席上で、任期満了となる22年10月末で退任することを表明。後任については「民主的な方法で適任者を選んでほしい」として、会頭選考委員会が設置された。
選考委員会は、筆頭副会頭の中田孔幸氏=東海建設代表取締役=を最適任として推薦した。
提言書によると、役員・議員対象の調査では、選考基準に「地域社会や経済、商議所への貢献度」「個人的能力」、求める資質や能力を「行動力」「決断力」とした人が多かった。「基準に合致し、道内経済界への発信力や政策実現能力も期待される」として、全会一致で中田氏を最適任者とした。選考委員会は合わせて、多忙な会頭業務の平準化や分散化、正副会頭の議員特別会費の改定といった会頭就任者の負担軽減策の検討も提案した。
22年11月1日、第1回議員総会。任期満了に伴う役員改選で、4期12年務めた栗林氏に代わり、中田氏が新会頭に正式に選ばれた。中田氏は1994年議員。97年常議員。2007年11月から副会頭。建設業者の会頭就任は初めてだった。「この上なく光栄で、責任の重さも感じている。役員、議員の支援を受けながら、難局を乗り切れるようまい進する」と就任あいさつした。
中田新体制は、ベテランと若手の融合を掲げた。副会頭では、松永英樹氏=室蘭市商店街振興組合連合会理事=と篠原光範氏=日鉄ファーストテック社長=が再任。成田俊彦氏=室蘭海陸通運社長=と山下正純氏=日本企業観光社長=、髙柳知充氏=タカヤナギ社長=、菅原桂子氏=菅原測量設計社長=を新任した。
新任4氏のうち、髙柳、菅原両氏の若手2人を抜てきした。中田会頭は「世代交代を含めて組織を持続するために、ベテランの力はもちろんだが、若手が組織運営を経験することも大事。次世代を担っていける人材にお願いした」と狙いを明かす。
新体制発足の記者会見の場。マスクを着用したりパーティションを設けたりと、コロナ禍真っただ中での船出だった。
不要不急の外出が呼びかけられた後、飲食店でのデリバリー、テイクアウトの導入、置き配の本格化、テレワークの導入など、社会情勢の変化に合わせてさまざまな形態が業界内で推進された。
ロシア・ウクライナ紛争などによる原油価格高騰、物価高騰も企業経営を直撃した。
こうした状況下、中田会頭が掲げたテーマは、「『街』『人』『絆』のシンカに向けて」。危機的な経済状況からの脱却、経済の活性化に向けた先導役としての使命を担った。