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2024/10/04 05:00室蘭商工会議所「1世紀総括」

「室蘭商工会議所100周年 経済・商業発展の1世紀総括」第4部・歴代会頭の足跡⑦ 天里勝成氏

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むろらん広域センタービルの起工式でくわ入れを行う天里氏(左)=2008年3月

「広域ビル」実現に尽力
 室蘭市海岸町にあるむろらん広域センタービル。2009年に完成し、室蘭商工会議所のほか胆振総合振興局、市役所、金融機関などが入る。官公庁が集まる一角にあり、道南バスも2022年にビル前に停留所を新設した。ビルの完成には、官民の総力が結集しており、中でも尽力したのが室蘭商議所第12代会頭で室蘭商工信用組合理事長の天里勝成氏だ。役員含めて約30年のキャリアがあり、01年に筆頭副会頭から会頭に就いた。

 広域センタービルの建設は、老朽化した胆振支庁の改築が発端。1995年の苫小牧港東港区へのフェリー機能導入に対する室蘭への地域振興策の一つに挙げられていた。97年には胆振管内すべての自治体の同意を得て入江地区への移転を決定。室蘭市もレインボー計画の中核に位置付けて、約2万平方メートルの用地を先行取得していた。

 ところが道の財政健全化推進方策に基づき、日高支庁と統合して所在地を胆振東部(苫東地域)とする案が示されると、移転反対論議が西胆振全域に広がった。

 人口流出や購買力減少を危惧して、室蘭商議所は登別、伊達両商議所、自治体と連携して反対運動を展開。道や道議会に対して胆振支庁移転反対要望書を提出。室蘭経済懇談会とともに署名活動を実施。署名は9万6千人超にも上った。

 2002年2月に市民千人による総決起集会を開き、苫小牧への移転反対と早期改築を目指すことを決議した。

 地元が考案した内容は、賃貸方式による入居。建設費の初期投資がかからないことや直営による維持管理経費と家賃支出との比較を進めて、胆振支庁など道の出先機関が入居することとなった。

 06年2月28日。天里氏や新宮正志市長らが高橋はるみ知事と会談。高橋知事が「室蘭市の提案を正式に受けさせていただく」と述べて、およそ10年にわたる支庁移転問題に終止符を打つこととなった。

 08年3月6日、現地で起工式が行われた。用意された450平方メートルの大型テントは、起工式では白鳥大橋完成以来という規模。ビル運営会社の代表取締役としてくわ入れを行った天里氏は「長年の懸案だったが、まず第一段階を迎えられた。市民の期待を裏切れない。みんなが良かったと思える施設にしたい」と表明。

 ビルは翌09年2月28日、完成を迎えて、官民双方が入居を始めた。

 ひっ迫した道財政と支庁存続のはざまに揺れる中で、風穴を開けたのは、紛れもなく行政と経済界、市民が一体となって道行政に参画する室蘭方式だった。
(文中の肩書は当時)

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