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写真:伊達クリーニングもも

2024/05/24 05:00室蘭商工会議所「1世紀総括」

「室蘭商工会議所100周年 経済・商業発展の1世紀総括」第3部・飛躍期⑭ 登別、伊達との連携

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3商議所での視察を重ねて地域活性化の取り組みを学んできた

地域振興へスクラム 機能を分担、補完関係に
 通勤圏内であったり経済圏が同じだったりと、室蘭と登別、伊達は密接なつながりがある。商工会議所同士でも連携関係を築き、一体となった地域振興策を打ち出しており、連携の歩みは長い。

 第1次石油危機と前後して、国道36号室蘭新道の東室蘭トンネル貫通、太平洋回りの北海道新幹線鉄道建設促進期成会の発足など、第3期道総合開発計画や市総合基本計画と連動して、地域発展に向けたさまざまな事業がスタートしていた。西胆振でみると、伊達町の市制施行や翌年には北電伊達火力発電所着工もあり、地域全体で飛躍のきっかけとなる時期。

 国は新たな地方開発施策として新25万人構想、新都市圏整備構想、地方中核都市構想を相次いで発表。特に、1972年制定の工業再配置促進法は、西胆振が一層団結する契機ともなった。

 列島改造構想に基づき制定された同法は、工業誘導地域に道内全域を指定すると同時に、誘導除外となる「白地地域」に札幌、室蘭を指定した。両市ともに人口規模と工業集積度が高く、現状のままで良いという判断だった。

 今後の工場進出へのブレーキとなるほか、新増設の場合でも税制面での措置を受けられず影響は甚大。中核都市室蘭の工業近代化と道総合開発計画との関連性から室蘭の特殊性を重要視。抜本的な産業振興策の検討が行われたほか、3商議所による連絡協議会の発足につながった。

 室蘭、登別、伊達の会頭会議で設置が決定した連絡協議会は、水利や道路網・港湾機能整備、工業再配置構想など、3市に共通する懸案解決を強く推進することを根幹とした。

 発足当初、当時の栗林徳光会頭は「3市は今後帯状広域協同体として、広域総合的な都市計画を策定して各都市の特色と資源を活用して、機能分担して補完し合うべき。『室蘭圏』としての具体的な活動が最も必要であり、3市会議所提携の意義もここにある」とした。

 新日鉄室蘭の高炉休止が発表された際には、3商議所が連携して広域的な署名運動も展開。室蘭・大洗フェリー航路開設に向けて、キャラバンを結成して西胆振の各自治体に加えて後志、渡島管内へ協力を要請するなど圏域内の発展でスクラムを組んできた。道外での物産展も開催して西胆振のPRに努めた。

 近年では、国内外の観光客獲得を目指す魅力再発見プロジェクトを展開。北海道新幹線開業効果を取り込もうと、3商工会議所北海道新幹線連携会議を立ち上げた。札幌延伸ルートが北回りとなったことで、沿線から外れた観光開発に力点を置いて国の補助事業「地域力活用新事業∞全国展開プロジェクト」を活用。モニターツアーの実施や周遊型観光コースの開発、パンフレット制作などに取り組んできた。

 コロナ禍では、3会頭が連名で感染症対策の緊急共同宣言に署名。事業者支援や感染予防などでノウハウを共有。効率的な支援体制を構築した。

 新型コロナウイルスが5類に移行して、各地の観光入り込みはコロナ禍前に戻りつつある。室蘭では6月、室蘭商議所が実行委に加わる撮りフェスin室蘭も行われる。観光シーズンの本格化に合わせて、地元観光団体と連携したにぎわいづくりが盛んになっていく。

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コロナ禍での緊急共同宣言で事業者支援に全力を注いだ

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