土台のコンクリート塀が崩れた住宅=10日午後4時50分、登別市美園町
10日午前1時5分ごろ、登別市美園町6で住民から「土砂崩れで家が倒壊しそうだ」と110番があった。室蘭署や登別市によると、傾斜地にある建物の土台となる土やコンクリート塀が流出。接触した住宅が傾き、住民約20人が避難した。市内では前日からまとまった雨が降り続いていた。市は12日に現場検証し、対応を検討する。
市は10日午前2時53分、鷲別町の鷲別コミュニティセンターに避難所を開設。13世帯22人が避難した。同日午後8時現在、6世帯11人が身を寄せている。
現場はJR鷲別駅から北に約2キロ。室蘭市との市境に近く、山林に面した傾斜地に広がる住宅街。現場付近の側溝からは、激しく流れる水の音が響いていた。
避難者の高橋文男さん(78)は「ドーンと大きな音がしたので家の裏を見たら、コンクリート塀が崩れ落ちていた」、二関英也さん(70)は「いつか起きるのではと危惧していた。自宅にいつ帰れるのか分からない状況に困惑している」と不安を口にした。
室蘭地方気象台によると、登別では9日午前0時の降り始めから10日正午までの総雨量が151ミリに達した。気象台では「雨水がたまり、斜面は崩れやすくなっている」として、危険な場所には近づかないよう注意を促している。
市は12日、専門家による検証を進め、今後の対応策を検討する。