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2025/03/14 05:00室蘭

正職員看護師1人年60万円、市立病院「給与削減」 室蘭市試算

 室蘭市議会民生常任委員会(児玉智明委員長)が13日、開かれた。市は市立室蘭総合病院(山手町)の経営改善策として労働組合に提示している給与の独自削減で、2023年度決算をベースとした削減額が、正職員の看護師1人当たり年約60万円となる試算を報告した。

 市によると、医業収益に占める給与費の割合である人件費比率は、23年度決算で69%だったが、24年度決算見込みは78%で25年度当初予算案も同割合。医業収益は23年度79・3億円、24年度決算見込みで74・1億円、25年度当初予算案で71・3億円と減少傾向だが、給与費は54・4億円、57・5億円、55・5億円となっている。

 組合に提案した給与削減額は23年度決算をベースに算出し、正職員の看護師の年収平均623万円に対し、組合に提示している削減割合11%を踏まえると、約60万円の減少となる見込み。

 西岡忠広委員(公明党)は「60万円の減額は厳しいが、全国的な平均給与ベースは維持できる。医業収益が下がっている中で見合った給与ベースが必要。経営状況を踏まえて、少しずつでも減らしていけば、大幅な減額にならなかったのでは」とただした。

 中沢昌弘病院事務局長は「人件費削減は不利益な労働条件。まずは人件費以外のコスト削減、収益増加を進めてきた」と説明した。

 また、市立病院の患者が別の総合病院に流れている-との指摘に対して市は「常勤医減少で他院に流れたことは考えられる」とした。

 西岡委員は「病院全体がワンチームになるために、例えば全職員への説明会といった対策が必要」と指摘。新井一病院事業管理者は「4月1日は新年度に向けて全職員にあいさつする。一丸となって取り組むことを呼びかけたい」と述べた。

 滝口紘子委員(市民ネット・むろらん)は「人件費削減は最終的な手段。本丸に手を付けた。なぜ段階的に取り組まなかったのか」と追及した。新井病院事業管理者は「経費削減を全てやり終えた上でも改善額が大きく、何を持っても補い切れない判断だった」と答えた。

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