
ナビゲーションシステムの導入で作業時間や走行距離の大幅削減につながった
◆―― 6月から集約化実証
室蘭市がごみ収集運搬業務の効率化に向け導入したナビゲーションシステムが成果を上げている。2023年度は、いずれも22年度比で報告書作成などの作業時間が年間850時間、運搬車両の走行距離は日本列島1周分に相当する1万2584キロの削減につながった。今後はリアルタイムでの可視化を通して、清掃業者間での収集場所把握などにより、さらなる業務効率化・平準化を進める。
13日に行われた市議会民生常任委員会(児玉智明委員長)で報告した。
同システムは、IT活用による持続可能な収集体制の構築の一環で実施。市は車載ナビのパナソニックITSと20年2月に協定を締結。ごみステーションの位置や収集の進展状況の把握、業務報告の効率化を目的にシステムを導入し、市と同社、6事業者で構成する道南公益清掃事業協同組合で事業を進めてきた。
ごみ収集車両と管制側(市、組合)で最新の状況をリアルタイムで把握が可能となり、車両搭載のタブレットに効率的な収集ルートが表示されるほか、日報の自動作成で現場業務の負担減に加えペーパーレス化も図られた。この結果、日報作成などの事務作業や、走行距離の大幅な削減につながった。
今後は同システムを活用して、他社のごみ収集場所を把握できるようにするなど、業務の進行状況に応じた協力体制の構築を進める考え。
このほか、今年6月からモデル地域(幸町、本町、栄町)で行う軒先ごみステーションの集約化の実証事業で、事業終了後のスケジュールについて市は「軒先ごみステーションが多い地域について、実証結果をベースに実施規模などを検討する」とし、さらなる業務効率化や負担軽減を図る方針だ。