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2025年度一般会計予算案を発表する青山市長
室蘭市の青山剛市長は18日、市役所で定例記者会見を開いた。同日発表した2025年度一般会計予算案は、20年度以来5年ぶりとなる基金を取り崩しての収支均衡を図り、「人件費や物価の高騰に加えて自治体情報システムの更新などもあり、簡単な作業ではなかった」と振り返ったが「安心につなげる予算として編成できた」と強調した。
25年度の重点的な取り組みとして地域医療、防災、働き手不足対策の三つを掲げた。防災対策では災害用トイレカーの導入、プライバシー確保のためのテントなど災害救助用物資を備蓄し、子どもや女性、高齢者などが不安なく過ごせるよう避難環境の一層の強化に取り組む。
また、津波発生時の避難経路として緊急時に線路横断できるよう、破壊窓付き門扉を高砂町や日の出町、宮の森町の3カ所に設置する。横断に関して鉄道事業者と詳細なルールづくりを行うとして「災害はいつどこで発生するか分からない。早期の整備を目指したい」と述べた。
「一番エネルギーを割いていかないといけない」と訴えたのは地域医療への対応。厳しい経営が続く市立室蘭総合病院について「全国的に公立病院の8割以上が赤字で苦しい状況。国に対しても制度の拡充を求めていく」と力を込めた。
蘭西地域の2総合病院が今後の医療体制維持に向け協議する検討会を立ち上げ、「私の役割は医療機能を維持していくことに尽きる。三つの総合病院が共倒れとなり、医療崩壊することは最も避けなければいけない」とした。
予算案や条例改正案など18件、財産の取得1件の19件を、26日召集の第1回市議会定例会に提出する。