ワークショップの検討結果を発表する参加者
◆―― 連携深化も図る
登別、室蘭、伊達の3市合同による初の地理情報システム(GIS)基本研修が28日、登別市観光交流センターヌプル(登別港町)で開かれた。3市の職員ら約40人が参加し、GISの基礎や活用方法を学び、ワークショップを通して各市の課題解決に向けた有効な使い道を考えた。
デジタル化した地図に情報を重ねて可視化する「GIS」を活用している3市の広域連携を目的に、登別市が室蘭、伊達両市に協力を呼びかけて研修が実現した。DX推進担当だけでなく、福祉、建設、防災、教育など、3市ともにさまざまな部署の職員が参加した。
登別市の菊地徹DX推進室長は「GISをより一層身近に、そして利活用のアイデアを考える一日に。細かなシステムの使い方にとらわれるのではなく、GISの魅力に気付いて、他市の職員との交流を深めていただければ」と開会あいさつ。
講師は3市のGIS構築に携わるESRIジャパン(本社東京)の社員が務めた。座学でGISを活用した情報の可視化や分析、データの作成・編集方法を学んだ。6グループに分かれて各市の課題をテーマに設定し、オープンデータを活用して資料作りを行った。
「登別市の子育て施設の今後の在り方」をテーマにしたグループは、市内の地域別人口分布を円グラフで表現し、大きさで比率、色で年齢構成を表現。情報を可視化することで子育て施設が充実している地域と不足している地域を示した。
参加者からは「情報を集めて今後の公共施設の在り方やどういう施設が必要なのか、民間に委託できるのかなどの分析に活用できる」「オープンデータを利活用するには最新のものでなければ効果が薄いと感じた。いかに最新のデータを蓄積していくかが課題」などの意見があった。
市総務部DX推進グループの有馬亮太総括主幹は「3市とも生活圏域は同じ。市の垣根を越えて防災や空き家などの情報が見えることで、自分のまちで何をやったらいいのか気付くことができる。今後も各市の持ち回りで開催することができたら」と話していた。