参院本会議で答弁する石破首相(壇上)=3日午前
◆―― 首相、来夏参院選巡り
石破茂首相は3日午前の参院代表質問で、来年夏の参院選を巡り、自民党派閥裏金事件に関係した議員の公認問題について、10月の衆院選と同様の対応になるとの認識を示した。年収103万円を超えると所得税が生じる「年収の壁」に関し、引き上げ幅の根拠となる指標への言及を避けた。防衛費を2027年度までの5年間で総額約43兆円とする方針に関し、財源を明言しなかった。
自民は衆院選に当たり、事件に関係した前議員、選挙区支部長らのうち12人を非公認とした。①党則に規定する「選挙での非公認」よりも重い処分を受けた者は非公認②それより軽い党役職停止処分1年を受け国会の政治倫理審査会に出席していない者は非公認―を基準とした。
首相は代表質問で、参院選での裏金議員への対応を巡り「公認、非公認の判断について、衆院選と違う対応を行うことは現時点で考えていない」と答弁した。
年収の壁の引き上げに関し「参照すべき指標や引き上げ幅について答えるのは差し控える」と述べた。
年収の壁を巡っては、自民、公明両党と協議を進める国民民主党が非課税枠を178万円に引き上げるべきだと主張。1995年から現在までの最低賃金の上昇率に基づくべきだとしている。与党からは、税収減を抑えるため物価上昇率に合わせるべきだとの意見が出ている。
首相は防衛費総額約43兆円に関し「防衛力の抜本的強化に必要な水準として積み上げたものだ」と説明した。
選挙での交流サイト(SNS)利用の在り方について「表現の自由、選挙運動、政治活動の自由に関わる重大な問題でもある」とし、各党の議論に委ねる意向を示した。発がん性が懸念される有機フッ素化合物(PFAS)が全国で検出されている問題に関し「水質基準の引き上げを含め、来春をめどに方向性を取りまとめる」と語った。