日本維新の会の代表に選出され、記者会見する共同代表の吉村洋文大阪府知事=1日夜、大阪市内のホテル
◆―― 共同代表へ前原氏推挙
日本維新の会は1日、代表選投開票を大阪市内のホテルで実施し、共同代表の吉村洋文大阪府知事(49)を新代表に選出した。吉村氏は松沢成文参院議員(66)、金村龍那副幹事長(45)、空本誠喜衆院議員(60)を破った。衆院選で落ち込んだ党勢の回復へ期待を集め、得票はほぼ8割に達した。臨時党大会後の記者会見で、共同代表に前原誠司衆院議員を充てたいとの意向を表明。幹事長など党三役に若手を起用する方針も示した。
吉村氏は「永田町の古い感覚、政治をぶっ壊し、政策を実行していく改革政党でありたい」と強調。前原氏に関し、国会での経験や改革の実績から適任だと説明した。
来年夏の参院選を巡り「自民党とは改選1人区で一対一の対決をすべきだ。他の野党と協議したい」と主張。国政選挙は関西を戦略的エリアとし「全国にとにかく候補者を立てまくるつもりはない」と述べた。
投票総数は1万809票で、吉村氏8547票、松沢氏1066票、金村氏635票、空本氏492票だった。無効は69票。
代表選は衆院選の議席減を受けて実施。馬場伸幸前代表は責任を取って出馬を見送った。11月17日に告示され、「全国政党化」路線の是非や党運営の在り方、参院選戦略を主な争点として論戦が交わされた。
有権者は、国会・地方の議員や首長ら特別党員846人と、一般党員2万5025人。特別党員の一部は党大会で投票した。郵便投票で受け付けた一般党員にも1人1票が与えられた。
吉村 洋文氏(よしむら・ひろふみ) 九大卒。11年に大阪市議初当選。大阪維新の会市議団政調会長、衆院議員1期、市長、党副代表や共同代表を歴任した。19年に大阪府知事に転じ、大阪維新の会でも代表を務める。49歳。大阪府出身。
【日本維新の会】2012年に当時の橋下徹大阪市長、松井一郎大阪府知事らが政治団体「大阪維新の会」を土台に結党し、離合集散を重ねて現在に至る。大阪市などで取り組んだ行政改革を旗印に国政進出し、自民党や民主党に対抗する第三極として台頭。関西圏を中心に勢力を確保する。「身を切る改革」や教育無償化、憲法改正を看板政策に掲げる。国会では「是々非々路線」を取り、自民・公明政権の政策を修正させた上で賛成するケースもあった。党本部は大阪市。