衆院本会議で代表質問をする立憲民主党の野田代表(右)と答弁する石破首相=2日午後
石破茂首相は2日の衆院代表質問で、自民党派閥裏金事件を受けた政治改革を巡り、立憲民主党などが求める企業・団体献金禁止を否定した。「自民党としては不適切だと考えていない」と述べた。立民の野田佳彦代表は首相の姿勢を批判し、抜本的な改革を求めた。与党過半数割れとなった10月の衆院選後、首相の所信表明演説に対する初の国会論戦を実施した。
首相は、使途公開不要な政策活動費を廃止する方針を示した。同時に、外交や企業の営業秘密に配慮し、使途を非公表とする支出を温存した自民党案を維持する意向もにじませた。
政治資金の適正さを確保する第三者機関の設置に関し、政党は民主主義を支える重要な役割を果たしており、政治活動の自由は尊重される必要があると強調。「行政の関与は最小限にとどめるべきだとの考え方から国会設置が基本だ」と語った。
裏金事件に関係した議員の衆院政治倫理審査会出席について「自らが置かれた状況をよく省みて、必要な説明責任を果たすよう促している」と答弁した。
野田氏は政策活動費の全廃を要求し、企業献金禁止に関しては「改革の本丸だ。なぜ議論の俎上に載せようとしないのか」と訴えた。2024年度補正予算案の歳出約13兆9千億円に対し、緊急性に乏しい支出が多く含まれていると指摘し、減額を求めた。首相は「必要な施策を積み上げたものだ」と反論した。
国民民主党の浅野哲氏は年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」について、非課税枠を178万円に引き上げるべきだと主張した。首相は引き上げ幅に言及せず「税調会長間で議論を深めてほしい」と述べるにとどめた。
「闇バイト」を募集するインターネット上の投稿を巡っては、交流サイト(SNS)の事業者が投稿を削除できる基準の明確化を検討すると説明した。立民の石川香織氏への答弁。