ターゲットをしぼり緻密な戦略で運行したらんらんバス
らんらんバスや交流会
2023年は、翌24年の室蘭商工会議所創立100周年の「百寿」を前に、「白寿」としての記念イベントが企画された。中島、中央地区再生プランの実証事業の多くは、創立99周年事業の一環を兼ねており、地域のにぎわいづくりと記念事業が並行して行われていた。
中島地区を巡る無料循環バス「らんらんバス」は、乗客の年代などに狙いを定める緻密な戦略を展開した。
第1弾は10月の平日に運行した。年金支給日ということもあり、高齢者の利用を狙った。第2弾は11月10日。土曜日運行で多世代の利用を目指した。第1弾よりもルートを減らして停留所を多く回るコースに変更した。
第3弾は11月15日。第2弾と同じ時間帯とルートだったが、年金支給日がない奇数月のニーズを探り、公共交通の利用状況を把握した。
長く向陽公園の名称で親しまれた広場は、商議所がネーミングライツスポンサーとなり、「室蘭商工会議所 らんドルパーク向陽」となった。
昨年10月下旬に新名称決定と99周年を記念して、イルミネーションを設置した。点灯式も行われた。ハロウィーン時期と重なっていたこともあり、写真撮影用の衣装を用意。ハートをかたどったきらめきは撮影スポットとしてカップルや家族連れに人気となった。
12月には発光ダイオード(LED)を増設した。同月からスタートした「中島ぐるぐるスタンプラリー」(商議所主催)に合わせて、LEDを3100個に増やした。ハートをかたどったオブジェに高さ5メートルほどのツリーが登場。上部には星を飾り注目を集めた。
年末には、コロナ禍で中断していた会員交流会を、19年以来4年ぶりに復活開催した。
海星学院高校書道部がオープニングを飾った。「人の進化 街の新化 絆の深化」と大きくしたためられた。会場では、会員事業所の逸品を紹介・販売する特設コーナーも設けられた。うずらのプリンやクッキーのほか、室蘭やきとりなど全17ブースが設けられて盛り上がりを見せた。
約200人が出席して大盛り上がりの会員交流会。冒頭あいさつに立った中田孔幸会頭が「より多くの会員の方々に参加していただき、大きな節目を祝いたい」と呼びかけたように、創立100周年の24年、かつてない規模での行事が相次いで行われることになった。