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2024/07/03 12:30道内

〈動画〉知床事故、乗客家族が提訴 15億円賠償請求、札幌地裁 運航会社側の責任追及

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提訴のため札幌地裁に向かう知床観光船沈没事故の被害者弁護団=3日午前

 北海道・知床沖で2022年4月、観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没し20人が死亡、6人が行方不明となった事故で、乗客14人の家族ら計29人は3日、運航会社「知床遊覧船」と桂田精一社長(61)に計約15億円の損害賠償を求め、札幌地裁に提訴した。事故を巡り、乗客家族による提訴は初めてとみられる。

 事故は22年4月23日に発生。不明者の一部の家族は原告となるため、法律上亡くなったものとする「認定死亡」の手続きを取った。7歳だった息子の手続きをした北海道帯広市に住む男性(52)は「自身で法廷に立ち、社長の責任を追及したい」と話す。

 山田廣弁護団長は提訴後、「被害者の無念の思いと、ご家族の悲しみや苦しみ、怒りを訴えていく」と語った。弁護団は3日午後、訴状の詳しい内容を説明する。家族もオンラインで記者会見して、思いを述べる。

 運輸安全委員会は昨年9月に公表した報告書で、船首付近のハッチが確実に閉鎖されずに出航し、悪天候でふたが開いて浸水したのが原因だったと指摘。桂田社長は船体の異常は知らなかったと取材に答えているほか、昨年夏ごろには、文書で乗客家族に謝罪した上で「船体点検の責任者は船長」と説明していた。

 海上保安庁などは業務上過失致死の疑いで桂田社長らを捜査している。

 事故を巡り、乗客家族とは別に、死亡した甲板員の曽山聖さん=当時(27)=の両親が昨年2月、会社側に計約1億1900万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。会社側は請求棄却を求めた。両親は国と日本小型船舶検査機構(JCI)にも賠償を求め提訴している。


 【知床観光船沈没事故】知床半島西側の観光名所「カシュニの滝」沖で2022年4月23日午後、知床遊覧船が運航する観光船「KAZU Ⅰ」が沈没し、乗客乗員26人が死亡、行方不明となった。同年シーズンの運航初日で、同業他社は出航しなかった。国土交通省は同6月、海上運送法に基づき定めた安全管理規程に違反する行為があったとして同社の事業許可を取り消した。一方で事故3日前に日本小型船舶検査機構(JCI)が船体を検査したが不具合を見抜けないなど、国などによる監査や検査の実効性不足も問題視された。



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提訴後、札幌地裁前で取材に応じる知床観光船沈没事故の被害者弁護団の山田廣団長=3日午前

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