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写真:伊達クリーニングもも

2024/04/04 05:00室蘭商工会議所「1世紀総括」

「室蘭商工会議所100周年 経済・商業発展の1世紀総括」第2部・発展期① 始動

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商業会議所時代の事務所(上)と商工会議所として購入した旧公会堂

 第一次世界大戦(1914~18年)を通して、軽工業から重工業への構造変化に伴い、国内の経済規模は拡大した。貿易は輸出の激増が続いたが、終戦による反動不況と関東大震災、金融恐慌も発生するなど曲折の時代が続いた。各産業で飛躍的な発展を遂げた明治末期から大正、昭和にかけての市内経済の動向を振り返る。

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仮事務所は「楢崎倉庫」 港修築を巡り意見分裂も
 1924年11月6日付で設立認可を受けた室蘭商業会議所。第1回議員選挙は12月13、14日に実施された。2、1級の議員各15人が決まった。翌年1月に総会が行われ、役員が決定。会頭は楢崎平太郎、副会頭は野副又六。ほか常議員7人、特別議員12人を選任した。

 会議所設立当初の庁舎は、室蘭商工協会の事務所があった楢崎倉庫(海岸町)を仮事務所とした。その後、28年に室蘭公会堂(同)を市から1万円で購入して移転。32年に常盤町にあった市役所旧庁舎の無償譲渡を受けてさらに移転した。長く地元経済の中心となった室蘭産業会館への移転は、戦後になってからの話。

 室蘭商業会議所が誕生する以前の1910年。石炭輸送の要である室蘭港で、鉄道院の石炭高架桟橋が完成した。木造のため年々補修が必要だったことに加えて、増加する積み出し量に対応させる必要から、輪西町の海面を埋め立てて新たな海陸連絡設備を設ける計画が浮上した。

 埋め立て面積は計画ベースで1300平方メートル弱。すでに計画が進められていた23年、関東大震災が発生した。国家予算は災害復興を最重点事項に変更。一般予算は大幅に減らされて、港湾関係の打ち切りも流布されていた。

 道の開発計画である第1期拓殖計画がすでに始まっており、室蘭港修築計画が進められていた。道内一の石炭積み出し港として、高架桟橋の設置は最重要課題の一つ。市は事業計画の遂行を陳情したが、巨額の費用が発生することなどの理由で計画は中止。小橋内への設置に変更された。

 これを巡り、会議所内部でも意見が分裂。かつてない論争を引き起こしたが、最終的には和解。鉄道省もまちぐるみの紛争を憂慮して、小橋内での計画を取りやめた。輪西への連絡設備は第2、3期計画として先送り。新たに当面の拠点として、入江地区に総工費750万円で設けることを決定した。

 入江地区での計画は28年から工事に着手。34年7月に完了した。その後、相次ぐ戦争により、石炭の生産拡充が最重要視されて、年間で約150万トンが不足する事態となった。大型船接岸用の岸壁築造なども計画されたが、いずれも実現しないまま終戦を迎えた。石炭物流施設の計画が浮上するのは、戦後の51年になってからである。

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道内一の石炭積み出し港を支えた設備

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