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2025/04/23 15:00道内

〈動画〉知床沈没3年、犠牲者悼む 死亡・不明26人、悲惨な事故「もう二度と」

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斜里町のウトロ地区で開かれた知床観光船沈没事故の追悼式で一礼する山内浩彰町長=23日午後1時8分

 知床半島沖で2022年4月、観光船「KAZU Ⅰ」が沈没し乗客乗員計26人が死亡、行方不明となった事故は、23日で発生から3年となった。乗客の家族や地元・斜里町の住民らは「あの日、事故がなかったら」「あんな悲惨な事故は二度と起こしてはいけない」と犠牲者を悼んだ。同日午後、追悼式が開かれ、山内浩彰町長が「安心安全を具体的に積み重ねることを誓う」と述べた後、出席者らが黙とうをささげ、献花した。

 カズワンが当時出航した斜里町ウトロは曇り空で、朝方は気温5度以下に冷え込んだ。福岡県久留米市出身で、行方不明となった小柳宝大さん=当時(34)=の父親は、式典出席のため同町を訪れた。「宝大はまだ見つかっていない。事故がなかったら元気に暮らしていると思うと…」と心境を語った。

 高知市から旅行に来た田中幸彦さん(62)、朋子さん(59)夫婦は6年前、カズワンに乗船したことがあるといい「波も穏やかで楽しい思い出だった。まだ見つかっていない人もいて、いたたまれない」と悔やんだ。

 岸壁の補修のため港を訪れた男性会社員(50)は「毎年この時期になると思い出す。3年目だが悼む気持ちは変わらない」と語った。

 事故は22年4月23日、知床半島西側の観光名所カシュニの滝沖で発生。運輸安全委員会は23年9月に公表した調査報告書で、船首甲板部のハッチが確実に閉鎖されないまま出航し、悪天候の中、揺れによってふたが開いて浸水したことが原因と指摘した。

 釧路地検は24年10月、業務上過失致死罪で運航会社「知床遊覧船」社長(61)を起訴。乗客の家族らは同7月、会社と桂田被告に約15億円の損害賠償を求めて提訴しており、刑事、民事両面で責任追及が進む。

 会社側は今年3月、民事訴訟の初弁論で請求棄却を求めた。刑事手続きは初公判の見通しが立っていない。


 【知床観光船沈没事故】知床半島沖で2022年4月23日、知床遊覧船が運航する観光船「KAZU Ⅰ」が沈没し、乗客乗員計26人が死亡、行方不明となった。運輸安全委員会の報告書は船体に不具合があったほか、船に関する知識や経験のない運航会社社長が同社の安全統括管理者、運航管理者を兼務し、安全管理体制が存在しない状態だったと指摘。第1管区海上保安本部(小樽)は24年9月、社長を逮捕。釧路地検が同10月、業務上過失致死罪で起訴した。



◆―― 日航遺族助言胸に、焦らず 知床沈没家族会の男性代表
 知床観光船沈没事故の乗客家族の会で共同代表を務める東京都の工藤裕也さん(43)は、活動の方向性に思い悩み、無力感にさいなまれた時期がある。転機となったのは1985年の日航ジャンボ機墜落事故遺族との出会い。「焦らずゆっくりで良い」と助言され、腰を据えて家族間で話し合っていくと決めた。

 工藤さんは1歳上の姉と、7歳だったその息子が行方不明となった。2年前、発生1年の追悼式に合わせて知床を訪れ、他の家族と対面。地元の北海道斜里町などと協議する際につなぎ役を果たしたいと考え、数カ月後、家族会の共同代表になった。

 同様の事故を二度と起こさせないためには啓発が必要と考え、町と慰霊碑建立について話し合うつもりだった。だが、ここ1年間、協議は目立った進展がなく「行政と連携が取れていない」と感じた。

 家族の会の運営を巡っても壁にぶつかった。観光に打撃を受けた町を活気づける取り組みもしたいと考えていたが、中には前を向けない人も。「精神的な負担を与えていないか」と悩み、いつしか心は折れていた。

 思いを共有できる存在を求めていると、日航事故の遺族らでつくる「8・12連絡会」の事務局長・美谷島邦子さん(78)を紹介された。今年2月中旬、一緒に日航の安全啓発センター(東京都大田区)を訪れ、話を聞いてもらった。

 「工藤さんだからこそできることがある。まず体を大事にして、自分のペースで」。苦しみを分かってもらえたと感じ、気持ちが楽になった。

 今後、慰霊碑の設置などについて家族会で議論を進めるつもりだ。簡単にはまとまらないかもしれないが、「縁の下の力持ちになれれば」と考えている。

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知床観光船沈没事故の乗客家族の会の共同代表工藤裕也さん(左)と美谷島邦子さん=3月、横浜市(工藤さん提供)

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