
自作エンジン搭載のロケットを打ち上げるため、クラウドファンディングの協力を呼びかける学生たち
◆―― 目標額123万円「協力を」
室蘭工業大学公認の宇宙系サークル「学生宇宙研究開発機構SARD」ハイブリットロケットプロジェクト(島杏成プロジェクトマネジャー、20人)は、自作のロケットを製作するため、クラウドファンディング(CF)を実施している。目標額は123万円。31日まで。
2011年に創設したSARDはこれまで多くのロケットを作り、昨年、到達高度を209メートルに更新。現在は米・アップル社のテレビCMにも出演し、学内でも話題となっている。
将来的に宇宙空間の到達を目標としているSARD。島プロジェクトマネジャーらが率いる13期の目標は「自作エンジン搭載のロケットを打ち上げよう」。現在使用しているエンジンの性能では、宇宙空間へ到達するのは不可能で、ロケットの到達高度を上げるためのエンジンを自作する必要があることから、昨年4月に同プロジェクトを立ち上げた。
これまで2回の燃焼実験に成功し、初の自作エンジンを使用したロケットを打ち上げる技術を積み上げてきた。宇宙空間に到達するには100キロが必要とされており、まずは500メートル地点への到達を目指している。
自作エンジン開発費用は昨年前期が7万7190円、同後期が39万3484円、今年前期が105万1344円。製作には費用がかかり、加えて実験するためには赤平市の植松電機まで移動する必要があり、レンタカー代などもかかる。
今年前期の予算を概算すると、1人約7万円のサークル活動費が必要となり「アルバイトをしていても厳しい。本業の勉学にも支障を来してしまう可能性がある」と不安を述べ、部員で賄うのは難しくプロジェクト存続の危機でCFを立ち上げた。
寄付は5千円から。寄付金はエンジン製作やボンベ、アクチュエーターなどの購入費、実験するために移動のレンタカー代などに充てる。返礼品は金額によって異なるが、成果報告書やSARDロゴステッカー、機体へ名前記入、エンジン命名権など。
自作エンジンを搭載したロケットの打ち上げは9月を予定。島プロジェクトマネジャーは「SARDとして初めての取り組み。みなさんの力を貸していただけたら」と呼びかけている。
CFの詳細はQRコードから。