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【室蘭アイアンズ-若草】男子決勝、高い打点からシュートを放つ室蘭アイアンズ・佐藤(写真左)、【室蘭西BEST-室蘭アイアンズ】女子決勝でゴールを狙う室蘭西BEST・桑野=登別市総合体育館
ミニバスケットボールの室蘭地区バスケットボール協会2024年度U12会長杯(同協会主催)は最終日の15日、登別市総合体育館で男女決勝が行われた。男子は室蘭アイアンズが若草を58-36、女子は室蘭西BESTがアイアンズを65-20で下し頂点に立った。男女とも、第5回室蘭ダイハツカップ、第2回室蘭CONVERSECUPも制しており、3冠を達成した。
大会(2日・15日)は男女各7チームが出場し、トーナメント方式で頂点を争った。最終日のこの日は3位決定戦、準決勝、決勝を実施した。
男子アイアンズは若草に快勝。堅い守りからスピードを生かした攻撃に転じ、第3クオーター(Q)まで48-21と大差を付けた。広範囲から狙えるシュート力を持つ佐藤が足を痛める場面もあった第4Qも、着実に得点を重ね、粘りを見せる若草を振り切った。
「このチームで一緒に戦えてよかった」と口をそろえた主将の蛯子、佐藤、鎌田は「ミニバスはここで終わり、3冠を獲れて本当にうれしい」と汗を拭った。大友貴司ヘッドコーチ(HC)は「アイアンズらしく、初戦からよく走り切った」と目を細めた。
女子西BESTは第3Qに持ち前の守備力を発揮しリズムを掴むと、後半一気に差を広げ勝負を決めた。主将の辻、工藤、桑野は大会ベスト5に選ばれ「自分たちの力を全て出し切り(3冠の)夢をかなえることができた」。卒業後、同じ中学校に進む3人は「すぐレギュラーを取る気で頑張ろう」と顔を見合わせた。
今大会、多角的に同地区を盛り上げようと新たな取り組みも。保護者の投票で決める年間最優秀選手には男子富岸の上野、女子室蘭西BESTの辻が選出された。2人による一本締めで閉幕した。
結果は次の通り。
【男子】
▷準決勝
室蘭アイアンズ 38-31 富岸
若草 58-24 地球岬
▷3位決定戦
富岸 88-20 地球岬
▷1回戦
室蘭アイアンズ 53-20 伊達
富岸 81-22 八丁平
若草 69-15 室蘭西BEST
【女子】
▷準決勝
室蘭西BEST 60-21 地球岬
室蘭アイアンズ 57-41 富岸
▷3位決定戦
富岸 52-43 地球岬
▷1回戦
室蘭西BEST 58-33 若草
室蘭アイアンズ 71-10 八丁平
地球岬 26-21 伊達
◇大会ベスト5
【男子】 蛯子陽介(室蘭アイアンズ)南出蓮斗、菊地柊太(若草)上野柊登、上田快人(富岸)
【女子】辻千紗、工藤綾乃、桑野愛華(室蘭西BEST)松本瑞愛(室蘭アイアンズ)平岡聖菜(富岸)
◇最優秀選手
【男子】上野柊登(富岸)
【女子】辻千紗(室蘭西BEST)
◆―― 後輩奮起、気迫のプレー 西BEST
不安を残す最後にはしない-。西BEST3本柱の辻、工藤、桑野が抜け、5年生主体となる第2クオーター(Q)。普段なら少しばかり攻撃と守備に勢いがなくなる傾向にあるが、この日は違った。加藤、木村美を中心に気迫あふれるプレーでこのQを14-9で上回り、前半22-13とリードを広げ流れをたぐり寄せた。
コーチ陣も納得の試合内容だった。第1Qは8-4といつもの元気が出なかったが、後輩の奮起に引退を控える3人も目覚めた。第3Qを23-7、第4Qは攻め入る隙を与えず20-0で無失点に抑えるなど、攻守にわたり相手を圧倒し3つ目のタイトルを手にした。試合後、飯山颯大ヘッドコーチ(HC)は「過去最高の試合を見せてくれた」と喜びを爆発させた。
「勝たせてあげたい」。堀内紀彦代表はそんな思いを内に秘め、選手と向き合ってきた。昨夏、創部初出場の全道大会では悲願の1勝。相手チームのうまさに翻弄され、スタッフの力不足を味わった冬の全道大会。喜びや悔しさ、さまざまな苦労は、最高の形で実った。「目指してきたものが全てかなった。よくやった」。優しい口調で選手たちをたたえた。
快進撃の立役者となった3本柱が抜けるのは、チームにとって痛手だ。それでも、後輩たちにとって功績を残した先輩と汗を流した日々、勝って負けて一喜一憂した1年間は大きな成長の糧となった。
両チーム最多の17得点を挙げた川浪は「悔いなく戦い抜けました」と胸を張る。小柄ながら果敢にゴール下へ切り込み、外からのシュートも光った。6年生とプレーできる最後の試合を終え、寂しげな表情も「自分たちがチームを引っ張る番」と自覚を胸に責任を果たすことを誓った。