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カスハラ対応方針をまとめた道南バス。車両内に掲示して乗客に周知するほか従業員への研修も行う
道南バス(本社室蘭市、長谷川義郎代表取締役社長)は、従業員の安全確保と快適な職場環境の構築へ、カスタマーハラスメント(カスハラ)対応の方針を策定した。意見や苦情は従来通り受け付けるが、身体・精神的な攻撃や威圧的な行動、継続的かつ執拗な言動など、度を越えた暴言や不当な要求などに対しては、必要に応じて法的対応を含めて厳正に対処する。
■従業員の安全
日本バス協会、北海道バス協会が昨年9月、カスハラ対応に向けた基本方針をつくった。これを受けて、同社も総務部、輸送安全部が中心となり、1月23日付で策定した。道内でも複数のバス会社が対応策を取りまとめているという。
カスハラを「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、従業員の就業環境が害される恐れのあるもの」などと定義。具体例として、土下座の要求や差別的・性的言動、従業員個人への攻撃・要求などを挙げた。
カスハラに該当すると判断した場合には、サービスを中止するほか、必要に応じて警察や弁護士に相談の上、法的措置も含めて厳正に対処するという。
■ドラレコ監視
車両にはドライブレコーダーを備えており、トラブルの際には録画された映像を確認しながら対応に当たっている。長谷川社長は「意見や苦情は真摯に受け止めるが、運転手に暴言を吐いたり、電話応対で長時間、複数日にわたり拘束されたりと、度を過ぎた行為もある」と指摘。「乗客の確実な輸送に加えて、運転手の安全確保を徹底することで働きやすい労働環境構築につなげたい」としている。
路線バスや都市間バスなど約320台の車両にカスハラへの基本方針を周知するポスターを提示するほか、安全講習会や営業所長会議などを通して従業員への教育・研修を行っていく。