えい航されて函館港に入港するタンカー「さんわ丸」(左)=13日午前、函館市
函館市の恵山岬付近でタンカー「さんわ丸」(3919トン)が座礁し、燃料の重油が流出した事故で、第1管区海上保安本部(小樽)が事前に針路の異常に気付いて無線などで同船に呼びかけたものの、座礁直前まで応答がなかったことが13日、1管への取材で分かった。
さんわ丸は13日午前、民間のサルベージ船にえい航されて函館港に入港した。函館海上保安部は業務上過失往来危険容疑で調べており、船長らから聞き取りを行うなどして原因究明を進める。
1管によると、船舶自動識別装置(AIS)や無線で座礁の危険性を伝えたが、さんわ丸から応答はなかった。事故の1~2分前に船舶電話に出たという。
さんわ丸は6日夜、北海道の苫小牧港から秋田県の港に向かう最中、海岸から約20メートル沖の岩場で座礁し、8日には燃料の重油の流出が確認された。同船を所有する愛媛県今治市の会社がサルベージ船を手配し、12日に座礁現場を離れていた。