兵庫県庁に登庁し、集まった大勢の人たちに一礼する斎藤元彦氏=19日午前
◆―― 職員らと信頼構築課題
兵庫県知事選で再選された斎藤元彦氏が19日、疑惑告発文書問題で失職してから初めて県庁に登庁し、2期目の斎藤県政がスタートした。当選証書を受け取り、就任式では県職員の前で「謙虚な気持ちで丁寧に対話を尽くす」と抱負を述べた。文書問題で混乱した県政の立て直しに向け、職員や県議会との信頼構築が課題となる。
午前10時ごろ登庁した斎藤氏は、拍手で出迎えた支援者たちに深々と一礼。一人一人と握手し「ありがとうございます」と伝えていた。
就任式では文書問題について「不安な気持ちを与え、心からおわびする」と職員たちに謝罪。「耳の痛い話も真摯に聞いて良い県政をしたい。もう一度一つのチームとして頑張っていきましょう」と呼びかけた。午後は幹部らとの政策会議や再任後初の記者会見に臨む。
斎藤氏はパワハラなどの疑惑が挙げられた告発文書問題で責任を問われ、9月の県議会で全会一致の不信任決議を受けて失職した。「改革の継続」を掲げて挑んだ出直し選では交流サイト(SNS)を駆使して急激に支持を広げ、6新人を破り、返り咲きを果たした。
県議会では調査特別委員会(百条委員会)による疑惑の検証が続いており、25日に斎藤氏を証人尋問する予定。一連の調査が終了後、報告書が公表される。