文化解説プログラム「ウパシクマ」でアイヌ文化などについて学ぶ生徒ら
道内外の高校生が多文化の共生社会について考える「ウアイヌコロ会議」が来年1月11日、白老町若草町のウポポイ(民族共生象徴空間)で開かれる。会議前日には、ウポポイでの探究学習プログラムを予定しており、道内から参加の生徒が道外からの高校生にウポポイでのガイド役を担当する。会議に先だって、道内5校約40人の生徒が現地研修に臨んだ。
3月に国から示された「ウポポイ誘客促進戦略」を受け、高校生に集まってもらい共生について考えてもらおうと企画。
SDGsなどについて考えるサステナブル・ブランド国際会議(2月、東京)に北海道ブロック代表で参加した札幌日本大学中学校・高校の生徒たちから、ウポポイでの同様の会議開催の提案が、会議に参加した民族共生象徴空間運営本部長の村木美幸さんに寄せられて実現したという。
会議に参加するのは、札幌日大や登別青嶺など5校約40人。道外からは東京や大阪など全国9校約40人が予定。道内の生徒たちは9月からオンライン学習を進め、現地研修に臨んだ。
伝統芸能「シノッ」の鑑賞をはじめ、文化解説プログラム「ウパシクマ」、国立アイヌ民族博物館での「はじめてのアイヌ博」をそれぞれ受講。生徒たちが職員の元に行き、質問する光景もあった。博物館やウポポイ内を自由見学し、振り返りを行った。
札幌日大の吉田凱星さん(2年)は「アイヌ民族は過去の民族ではなく、同世代を生き、高校生の友人同級生にもアイヌの方たちはいると思う。そういうことを意識しながら話しができれば」などとガイド活動に向けた抱負を語った。
同運営本部誘客促進部の音喜多卓嗣参与は「社会に出る前に、柔軟な高校生のときに共生というものを一度考えてほしい。アイヌ文化をより深く知ってもらうきっかけになると思う」などと会議の狙いを語った。