地域経済の土台となった室蘭港。天然の良港をベースに郷土発展に貢献した室蘭商工会議所は6日に創立100周年を迎える
郷土発展、揺るがぬ決意
室蘭商工会議所(中田孔幸会頭)はきょう6日、創立100周年を迎えた。1924年11月6日、室蘭商業会議所として産声を挙げて以来、天然の良港を活用して、北海道唯一の重化学工業地帯として、道内発展の先導的、中心的役割を担ってきた。市内の団体や近隣の商議所とタッグを組んで数多な困難を乗り越えて、室蘭や西胆振全体の地域振興、課題解決に務めてきた。6日、関係者を招いた記念式典や祝賀会が行われ、郷土発展へ決意を新たにする。
「先輩が残した偉大な基盤を受け継ぎ、子孫のために新しい未来を切り開こう」
84年11月6日。室蘭商議所の藤田健一会頭(当時)が、創立60周年記念式典の会場で、会員事業所や来賓合わせて300人の出席者を前に決意を新たにした。
商議所は戦中、戦後の混乱期や基幹産業の合理化、大型店出店など時代の変遷とともに浮上した問題の対応へ、地元経済団体として商工界をリードしてきた。
第1次世界大戦後の不景気、世界不況、昭和初期の金融恐慌など、国内を取り巻く経済環境の荒波は室蘭にも例外なく押し寄せたが、沈滞した経済の立て直しを進めた。商工業組合の設立指導や事後処理施策などにも力を入れて、産業経済の発展に務めた。
戦時解体を経て戦後に再発足すると、若い経営者が商工業の第一線に進出し始めたほか、中小事業者の再起を担う相談所で育成振興の熱い意見を交わすなど、地元経済を支える土台づくりが着々と進められた。
昭和後期の構造不況や平成のむろらん広域センタービル開設、令和の新型コロナ対応を代表するように、地元の危機や懸案解決に直面してきた。当時の藤田会頭のあいさつにあるよう、関係団体などと連携を密にして解決へ動き出してきた。
迎えた2024年。昨年の99周年「白寿」に続き、さまざまな記念事業を展開。100周年のロゴマークは、漢字の「百」を横に配置して文字の一部を扉に見立てた仕様。中田会頭が「創立100周年記念ロゴマークのように、希望にあふれた未来に向かう一年としたい」と話したように「みんなのフェスタ」やタイムカプセルの掘り起こし、スタンプラリーなどを開催。1世紀の機運を盛り上げるとともに地域のにぎわいづくりを進めてきた。
室蘭市の人口は9月末現在で7万5131人。ピーク時と比べ半減しているが、地域活性化と経済発展へ、100周年のキャッチフレーズ「『明日のために』をこれからも」の言葉通り、50、100年先の未来に向かって歩みを続けている。
(第5部おわり)