福祉避難所を訪れた要支援者役の受け付けをする参加者
災害に備えた伊達市主催の市総合防災訓練が4日、松ヶ枝町の福祉施設「伊達コスモス21」で開かれた。本年度1回目は有珠山噴火をテーマに、市職員や福祉関係者ら約60人が避難行動要支援者対応の手順を確認した。
今回、初めて避難行動要支援者に焦点を当てた。有珠山の噴火警戒レベルが4に上がり、要支援者の避難が必要と想定。受け入れ対応訓練では、要支援者役が福祉避難所でもある同施設を車いすで訪れると、参加者が名前、生年月日をゆっくりとした口調で確認。続いて看護師が血圧や体温を測定した。
情報伝達訓練も行われ、参加者が「避難情報伝達連絡網」に基づいた正確な発信に努めた。この訓練では昨年同様、レンタコム北海道(札幌)の協力を得て、リアルタイムで各避難所の状況や人数を確認できるスマホアプリを導入した。
堀井敬太市長は「地域と連携して次の噴火に備えたい」と総括。市危機管理課の足立勇二課長は「関係機関の連携イメージがつきやすく良かった」と振り返った。
総合防災訓練は、市の防災計画の実効性を確かめる場として、毎年想定を変えながら実施している。本年度は計3回行う予定。有珠山噴火のほか、大滝での河川氾濫などを想定して対応力を高める。