
開幕後初の夏日となり、日傘で暑さをしのぐ来場者=19日午後、大阪市此花区の夢洲
◆―― 平日低調「客足これから」
大阪・関西万博は20日で開幕から1週間。初日は12万人近くが訪れ一時混雑したが、平日の来場者は4万~7万人台で推移した。日本国際博覧会協会(万博協会)が掲げる目標には及ばないペースで、担当者はこれからの伸びに期待する。この間、会場はたびたび大雨に見舞われた。開幕後初の土曜日となった19日は気温が上昇し、運営側と来場者は熱中症対策に追われた。今後も天候への対応が鍵となる。混雑緩和のため来場ルートを分散できるかも課題だ。
19日は大阪市で28・1度を記録し開幕後初の夏日に。来場者は日傘や帽子で暑さをしのいだ。会場内のウオーターサーバーでマイボトルに水を補充していた愛知県蟹江町の会社員松下ひろみさん(36)は「ごみも出ないし、冷たい水が飲めてうれしい」と話した。
各パビリオン前では長蛇の列が発生。アイスランドやスウェーデンなど5カ国が共同出展する北欧館では屋外で長時間並ぶ人に日傘を貸し出した。オマーン館や韓国館は独自のミストを設置し、暑さを和らげた。
19日午前は東西二つのゲートのうち、大阪メトロ中央線夢洲駅直結の東ゲート前で入場待ちの列が発生した。東に比べ、バスの利用者が出入りする西ゲートはスムーズだ。
自家用車を駐車場に止め、バスで会場に向かう予約制のパーク・アンド・ライドは不調で、人工島・舞洲の専用駐車場は空きが目立つ。東西で来場者を振り分けたい万博協会は、積極的な利用を呼びかける。
インド、ネパール、ベトナム、ブルネイの4カ国は開館しないまま。万博協会によると、内装や展示の工事が続き、オープンのめどは立っていない。
万博協会が掲げる来場目標2820万人の1日平均は約15万人。万博は会期後半に来場者が増える傾向があり、担当者は「魅力がいろんな形で伝わり増えていけばいい」と話す。
【大阪・関西万博】国際博覧会条約に基づき開かれる万国博覧会(万博)。2018年11月に25年の大阪開催が決まった。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに158の国・地域と7の国際機関が参加。10月13日までの期間中、2820万人の来場を見込んでいる。「世界最大の木造建築物」としてギネス世界記録に認定された大屋根リング内外に、各国や企業のパビリオンが並ぶ。参加国が日替わりで文化を発信する「ナショナルデー」をはじめイベントも連日開かれる。