エゾシカを活用したまちおこしについて紹介する曽我部氏
2024年度伊達市議会議員研修会が8日、市役所であった。頭数が増加し、食害や交通事故が問題化するエゾシカを活用したまちおこしの成功例などに、議員が理解を深めた。
講師はエゾシカ協会(札幌市)副会長で土木や石材、鹿肉事業を手がける北泉開発(釧路市)代表取締役の曽我部元親氏。「やっかいものを地域資源へ」と題し講演した。
曽我部氏は「エゾシカバーガー」考案など、活動を展開したことでも知られる。講演では2004年に地域ぐるみで「阿寒エゾシカ研究会」を立ち上げ、翌05年には日本初の一時養鹿(ようろく)場を造り迅速な解体処理、安定した肉質の供給体制を整えた経緯を紹介した。
曽我部氏は原料調達、処理加工、販売促進といった課題を一つ一つ時間をかけ解決。シカ肉が普及できた理由に「地域課題であったため、地域が一体となった取り組みができた。産学官連携がうまく機能した。時代の変化(価値観の変化)に適応した」と述べた。事業計画(販売戦略)の時間軸を長く持っていたことも理由に挙げた。