「室蘭が洋上風力の一大エリアになる」と期待を込める笹原会長
北海道銀行の笹原晶博取締役会長が来蘭し、地元企業などを訪問した。室蘭民報社の野田龍也代表取締役社長との対談では、洋上風力や水素といった再生可能エネルギーの普及を目指し、産学官で取り組む室蘭の役割に大きな期待を寄せた。
笹原会長は、室蘭の経営者らとの情報交換を通じ「製造業が活発なのでゼロカーボン(温室効果ガス排出量の実質セロ)への意識が高い」と強調。再生可能エネルギーのうち、洋上風力発電は本道の日本海側が有望な地域に選ばれ、室蘭港で製造などの拠点化が進んでいるだけに「室蘭が洋上風力の一大エリアになるだろう」と話した。
新たなクリーンエネルギーの水素を用いた実証実験が行われている室蘭について、「(水素の)先行地域であることが大切であり、そこに(経済発展の)チャンスがある」と認識。全道有数のものづくりのまちにさまざまな企業が立地し、室蘭港を有し、室蘭工業大学という教育研究機関もあるポテンシャルを生かす必要性を説いた。
半導体製造企業ラピダスの進出を契機に、サプライチェーン(原材料や部品の調達から販売に至る供給網)を「胆振、室蘭へどのように波及させていくか」を課題に挙げ、さらなる企業支援を進める考えを示した。
北陸銀行と経営統合で誕生したほくほくフィナンシャルグループは、今年20周年を迎えた。道銀として2009年に公的資金を完済したほか、優先株の償還も進み「地域のお客さまのご支援のおかげ」と感謝した。