東北新幹線の古川―仙台間で走行中に車両の連結が外れ、緊急停車した車両=19日午前(SYOTYOU3提供)
19日午前8時10分ごろ、東北新幹線上りのはやぶさ・こまち6号が、古川(宮城県大崎市)―仙台間で走行中に車両の連結が外れ、それぞれの列車が分離した状態で緊急停車した。JR東日本は車両点検で、東京―新青森間の上下線で運転を見合わせた。運転再開の見通しは立っていない。JR東は車両の脱線がなかったことを確認した。新幹線の走行中に連結が外れるのは異例。
JR東によると、はやぶさ・こまち6号には計約320人が乗車。けが人や体調不良になった人はいないという。車内の空調は正常に作動している。大崎市の消防によると、車両内でけが人は確認されておらず、JRや乗客からの出動要請はないとしている。
JR東日本東北本部は、乗客約320人について、最寄り駅まで歩くなどの移動方法を検討中としている。
秋田駅を出発したこまち(7両)が、盛岡駅で、同駅始発のはやぶさ(10両)と連結し、東京駅に向かっていた。
停車したはやぶさに乗っていた男性が共同通信の取材に応じ、徐々に減速して止まった後「こまちとの連結が外れた」とのアナウンスが流れたと証言した。
◆―― 「連結外れた」徐々に減速 異例トラブルに乗客驚き
「連結が外れたようです」。宮城県内で19日、異例のトラブルで東北新幹線が停車し、乗客から「こんなことは初めてだ」と驚きの声が上がった。運転見合わせにより、東北や関東の主要駅には人があふれた。
盛岡市の男性会社員(59)は同日朝、仙台駅に向かうため東北新幹線はやぶさ・こまち6号のはやぶさ側の4号車に盛岡駅から乗った。午前8時ごろ、車両が徐々に減速して停止。「安全確認のため停車します」「こまちとの連結が外れたもようです」との車内アナウンスが流れ、状況を把握できた。
車内は空席もあり、体調不良を訴えるような乗客はおらず、落ち着いた雰囲気だった。「新幹線が安全確認で止まること自体は珍しくないが、連結が外れたというのは初めてで驚いた」と話した。