厚労省で開かれた新型コロナウイルスワクチンについて議論するワクチン分科会=19日午前
厚生労働省のワクチン分科会は19日、今シーズンの新型コロナウイルスワクチンの定期接種について、「レプリコン」という新しいタイプを含む5製品の使用を了承した。定期接種は65歳以上の高齢者と基礎疾患のある60~64歳の人が対象で、10月1日から始まる。
ワクチンは、オミクロン株の「JN・1」に対応した5製品が8月以降に薬事承認された。米ファイザーなど3社のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンと、「Meiji Seika ファルマ」が開発した、mRNAが細胞内で複製されるレプリコン、武田薬品工業の組み換えタンパクワクチンがある。
分科会では、レプリコンワクチンの安全性を巡って一部から懸念が示されていることが話題になり、委員から「国民に分かりやすい情報提供が必要だ」といった意見が出た。
また、JN・1対応ワクチンは、現在主流となっている変異株「KP・3」に対しても従来のワクチンより強く免疫を誘導し、効果が期待されるとの国立感染症研究所の評価が報告された。
新型コロナワクチンの無料接種は3月末で終了し、今秋から高齢者らが対象の年1回の定期接種になった。自己負担額は自治体によって異なるが、最大7千円となるよう、国が接種1回当たり8300円を各自治体に助成する。対象外の人が打つ場合は原則全額自己負担の任意接種となる。