道南バス（室蘭市東町、長谷川義郎代表取締役社長）は１０月１日からのダイヤ改正で、路線バスの室蘭市内線と郊外線のうち平日で１２％、土日祝で８％の減便を行う。また、室蘭市内線の最終便を１時間繰り上げる。運転手不足や労務時間の規制などが要因。また、一部の路線でクレジットカード精算を初めて導入する。

　室蘭市内線では、工大（室蘭工業大学）から高砂町２丁目を経由して東町ターミナルに向かう「高砂・工大線」（平日２便、土日祝１便）や「室蘭市民会館線」（平日３便）などを廃止する。各線の廃止に伴い、室蘭市民会館や東町５丁目、宮の森４丁目の停留所は廃止される。

　市内最終便だった東町ターミナル発の工大循環線（中島経由）の出発時間は、午後１０時から同９時に繰り上げ。

　登別郊外線は、登別温泉－カルルス・サンライバスキー場で全８便、同－幌別資料館前の全２便を廃止。室蘭－登別温泉は、幌別本町を経由していたが、利便性向上を図るため全便で幌別駅西口経由に変更し、住宅街を回る。

　コロナ禍前の水準に回復しつつあるインバウンド（訪日客）らへの対応は、これまで４便だった登別駅前と登別温泉街の足湯入口までを１２便増便する。また、運賃を一律（大人３５０円、小人１８０円）とし、クレジットカード精算を導入する。

　そのほか、伊達駅前－豊浦しおさい前（全１０便）、洞爺湖温泉－上稀府（全７便）などを廃止する。

　同社担当者は、平日で１０％を超える減便に「過去１０年で見ても大きな改正」と強調。乗車率の低下はあるとしながらも、運転手不足や長時間労働是正に伴う「２０２４年問題」への対応に触れ「減便せざる負えない状況だった」と説明した。