今月から販売するシングルオリジン小麦粉。秋ごろまでに10種程度を予定している
道産小麦卸のべーカリスタ(室蘭市母恋南町、楠本幸貴代表取締役)は7月から、産地や生産者などが単一であるシングルオリジン小麦粉を販売する。第1弾として坂下農園(長沼町)が栽培する「春よ恋小麦」から始まり、今秋ごろまでに10種類程度取り扱う予定だ。
シングルオリジンは、産地と生産者、小麦の品種が単一であること。産地と生産者が目に見える形であるスペシャルティーコーヒーや、スーパーなどで売られている生産者の産地や顔写真などがポップで示されている近隣野菜などと同様のイメージ。
ベーカリスタは昨年、常盤町に製粉工場を設けて12月から本格稼働している。小ロット製粉に対応しており、シングルオリジン小麦粉の生産が可能。
第1弾である坂下農園からは、工場稼働前からオファーがあり、安定した自社製粉のノウハウを培った後、販売に至った。浜頓別や音更、当別、蘭越、由仁といった農業が盛んなエリアの小麦農家からも依頼があり、計10種程度を秋ごろにかけて順次販売していく計画。
シングルオリジンで提供する商品はクラフト(小規模工場での少量生産)小麦と位置付けて、生産者の顔をイラストに用いたパッケージデザインで提供する。強力粉と全粒粉の2種類あり、2・5キロ、19キロ(業務用)での展開。
楠本代表取締役は「パンのトッピングで使用する野菜を直接農家から購入することはあっても、小麦粉はそうではなかった。シングルオリジン小麦粉を導入することで、生産者と小規模パン店をつなぐことができる」と話している。
購入はインターネットから。一般ユーザーは(https://home.bakerista.jp/)、業務店は(https://bakema.jp/)